『締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~ (光文社新書)』
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ISBN:B0F2M8LX4W
だれもが経験したことがある「先延ばし」や「前倒し」を、最新の心理学研究を用いて解明するのが本書の目的である。前倒しが礼賛されがちな“タイパ社会”において、諸悪の根源のように扱われる先延ばしであるが、「考える時間を十分にとれる」「創造性が促進される」などの多くの長所がある。自分の傾向を把握して“ちょうどいいタスクマネジメント”を身につける方法や、「先延ばし派」と「前倒し派」の協働のコツを伝授する。
【発表用サマリ】
セルフコントロール
目標やゴールを追求するため、それらの目標を妨げる欲求や誘惑、衝動を抑制したり我慢したりすること
先延ばしのメリット
新たなアイデアや創造性を高める
時間を置くことで思考が整理される
先延ばしのデメリット
予定通りに遂行できない。セルフコントロールの失敗
前倒しの概念
ゴールまで一直線上に手前と奥に2つのバケツがある。どちらかをとってゴールにバケツを持っていく
バケツをゴールから距離のある方を先に手に取る
認知的負荷を軽減してあたまをからっぽにできる
前倒しのメリット
認知的な負荷を軽減できる
セルフコントロールの成功
前倒しのデメリット
単に目の前にあるタスクから開放されるために、タスクそのものが拙速になる。二度手間になる。
協働型ToDoリスト
前倒し→先延ばし
ブレーキをかけてもらう
ゾーンに入ったら放置してもらう
先延ばし→前倒し
締切を小分けにしてもらう
少し早い締切設定にしてもらう
先延ばしタイプと前倒しタイプは握手しながら進める
(読書メモ 気になったところだけ)
セルフコントロール
目標やゴールを追求するため、それらの目標を妨げる欲求や誘惑、衝動を抑制したり我慢したりすること
セルフコントロールの失敗による先延ばしへの対応策
具体化と抽象化
対象の手順やスケジュールを具体的にすることで詳細な情報が明確になり、着手しやすくなる
嫌いなタスクを抽象化する
タスクの意味や理由、達成すべき目標との位置づけを考えることで、タスクの価値を適切に評価できる
早く出されたレポートに代表される「前倒し」の仕事は、仕事そのものが拙速になることが指摘されています。おそらく心理学上の実験結果も引用されているので事実なのでしょう。
とはいえ自分や周囲のひとの経験からすると、大抵は前倒しでやるタイプのひとは時間に余裕をもって仕事に取り組むので丁寧な仕事をされることが多い印象です。
家事とかならともかく、こと仕事に関して、実施するタイミングの早さと仕事にかける時間の拙速さがほんとうに相関関係にあるのかやや疑問です。
また最終章では前倒しタイプと先送りタイプが協働でタスクリストを作成する提案がされています。
複数人でタスクリストを作成して進めていく提案は目新しくおもしろいです。提案では前倒しタイプと先送りタイプがお互い牽制しつつも、長所を活かしながら進めることになります。
ただこれも、実際は自分と真逆のタイプのひととタスクリストを協働で進められるのか、という実際的な疑問を感じています。実際にやってみると、結局は前倒しタイプだけがせっせと仕事を進めてたり、優先順位付けがお互いに異なってしまったりでなかなかうまくいかないような気もするのです。
とはいえチームでタスク管理をすることは重要であり、そのチーム内には前倒しタイプと先送りタイプがいることも事実です。それぞれの特徴を理解しつつ、合意を積み重ねながらタスク管理をしていかないといけません。
とはいえこれが実際は難しいですが。